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色が認知症ケアを変える? 環境・脳・心に効く色彩活用術

「なんだか落ち着かない」「どこに何があるかわからない」

もし、身近な方がそう感じているなら、もしかしたら「色」の持つ力が役に立つかもしれません。私たちが普段何気なく目にしている色は、認知症の方の生活の質(QOL)を高めるための心強い味方になる可能性があるのです。

今回は、認知症ケアにおける色の驚くべき効果についてご紹介します。住環境から脳のリハビリ、そして心の安定まで、「色」がどのようにサポートできるのか、その秘密を探っていきましょう。

1. 見やすく、安全な環境づくりは「色」から

認知症が進行すると、空間認識能力や視覚機能が低下することがあります。そのため、日常生活を送る上で、ちょっとしたことが大きな困難や事故につながってしまうことも。そこで注目したいのが、「色の力」です。

色のコントラストで、見やすさを格段にアップ!

例えば、

  • トイレのドアを壁の色と違う目立つ色にする: ドアの場所が分かりやすくなり、迷うことを防ぎます。
  • 手すりを明るい色にする: どこに掴まれば良いかが一目で分かり、転倒予防になります。
  • 段差のフチにテープなどで目印となる色をつける: つまずきを防ぎ、安全な歩行をサポートします。

このように、色のコントラストを意識するだけで、認知症の方にとって格段に見やすく、安全な環境を作ることができるのです。逆に、グレーのような認識しにくい色は避け、落ち着いた色合いを選ぶように心がけましょう。

2. 脳を楽しく活性化! リハビリテーションに「色」を取り入れる

「色」は、日々のリハビリテーションをより楽しく、効果的なものに変える力も秘めています。

塗り絵で脳をイキイキ!

細かい作業である塗り絵は、指先を使うことで脳を活性化させると言われています。さらに、

  • 色を選ぶ: どの色を使おうかと考えることで、思考力が刺激されます。
  • 配色を考える: 完成図をイメージしたり、色の組み合わせを試したりすることで、創造性が掻き立てられます。
  • 集中して塗る: 塗るという作業に集中することで、注意力が養われます。

このように、塗り絵は楽しみながら脳の様々な機能を鍛えることができる、優れたリハビリテーションなのです。

色を使ったレクリエーション(色レク)もおすすめ

色と形を組み合わせたパズルや、色の名前を当てるゲームなど、色を使ったレクリエーションは、認知機能の維持や向上に役立ちます。「これは何色かな?」「赤いものを探してみよう!」といった簡単なやり取りも、コミュニケーションを促し、生活に彩りを与えてくれます。

3. 心にやすらぎを。「色」がもたらす感情の安定

色は、私たちの感情に深く影響を与えることが知られています。それは認知症の方も同じです。

穏やかな気持ちを呼ぶ色、元気をくれる色

  • 青や緑: 穏やかで落ち着いた気持ちをもたらし、リラックス効果が期待できます。興奮状態を鎮めたい時や、落ち着いて過ごしたい空間に取り入れてみましょう。
  • 赤やオレンジ、ピンク: 暖かく、明るい気持ちにしてくれる効果があります。食欲を増進させる効果も期待できるため、食事の際にこれらの色を取り入れてみるのも良いかもしれません。

ただし、色の感じ方には個人差があります。特に認知症の方は、過去の経験や記憶と結びついて、特定の色に特別な感情を抱いている場合もあります。「好きな色は何ですか?」と優しく問いかけ、その方の好きな色を生活に取り入れてあげることも、心の安定につながる大切なケアと言えるでしょう。

まとめ:今日からできる「色」の工夫で、より豊かな毎日を

今回は、認知症ケアにおける色の活用についてご紹介しました。

  • 見やすい環境づくり: 色のコントラストを活用して、安全な生活をサポート。
  • 脳の活性化: 塗り絵や色レクで、楽しく認知機能の維持・向上を目指す。
  • 心の安定: 色の心理効果や個人の好みを考慮して、穏やかな気持ちを育む。

「色」は、特別な道具や技術がなくても、私たちの身の回りに溢れているものです。今日から少し意識して取り入れてみることで、認知症の方の毎日がより安全で、穏やかで、そして豊かなものになるかもしれません。ぜひ、色の持つ優しい力を、日々のケアに取り入れてみてください。

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この記事を書いた人

はじめまして!このブログを書いているキョウです。

生きていく上で役立つ、様々なジャンルの情報を分かりやすくお届けします。私自身も日々学びながら、皆さんと一緒に成長していけたら嬉しいです。気になることがあれば、ぜひコメントしてくださいね。

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