前回の記事で、急に感情的になる人の裏には、触れてほしくない「コンプレックス」が隠されていることが多いと説明しました。相手の心理を理解することは大切ですが、実際に身近に怒りっぽい人がいると、毎日が憂鬱に感じることもありますよね。
「怒りの感情をぶつけられるのがつらい…」 「どう接すればいいのか分からず、ストレスが溜まる…」
そんな悩みを抱えているあなたへ。今回は、怒りっぽい人との付き合い方、そして何より大切な「自分の心を守る方法」についてお話しします。
1. 相手の怒りを「受け止めすぎない」ことが大切
怒りっぽい人の感情的な言動は、まるで熱湯をかけられるようなものです。反射的に身構えたり、自分を責めてしまったりすることもあるでしょう。しかし、まず覚えておいてほしいのは、相手の怒りの原因が、必ずしもあなたにあるわけではないということです。
多くの場合、怒りっぽい人の感情は、コンプレックスや過去の経験、あるいはその人自身のストレスや満たされない思いから来ています。あなたがどれだけ気を遣っても、相手の怒りの「地雷」を避けるのは非常に難しいこともあります。
だからこそ、相手の感情を「自分の問題」としてすべて受け止めてしまう必要はありません。「ああ、今、相手は怒っているんだな」と客観的に捉える練習をしてみましょう。
2. コミュニケーションにおける境界線を引く
怒りっぽい人とのコミュニケーションでは、あなた自身の心の境界線を明確にすることが重要です。
- 感情の波に巻き込まれない
- 相手が怒り出した時、こちらも感情的になったり、言い返したりするのは避けましょう。相手のペースに巻き込まれると、ただ疲弊するだけです。「今、感情的になっているから、冷静になってから話そう」と心の中で一歩引いてください。
- 「私」を主語にして伝える
- もし、相手の言動がどうしても受け入れられない場合は、「あなたは〇〇だ」と相手を非難するのではなく、「私は〇〇されると、悲しくなります」「私は〇〇と感じます」と、「私」を主語にして自分の気持ちを伝えましょう。感情的ではない、冷静なメッセージは、相手に伝わりやすいことがあります。
- 無理に理解しようとしない
- 相手の怒りの原因をすべて理解し、解決してあげようと抱え込む必要はありません。相手のコンプレックスは、本来相手自身が向き合うべき課題です。あなたは、その責任を負う必要はないのです。

3. 物理的・精神的な「距離」を工夫する
もし可能であれば、物理的または精神的に距離を取る工夫をすることも、自分の心を守る上で有効です。
- 物理的な距離
- 職場であれば、席の配置を変える、必要最小限の業務連絡に留める、会議以外の場で二人きりになる機会を減らすなどを検討してみてください。
- 家庭内であれば、一時的に別の部屋に行く、散歩に出かけるなど、クールダウンできる時間と空間を作る工夫をしてみましょう。
- 精神的な距離
- 期待値を下げる
- 「この人は怒りっぽい人なんだ」と割り切り、相手が感情的になっても「いつものことだ」と受け流すようにする。相手に過度な期待をしないことで、裏切られたと感じるストレスを減らせます。
- 話題を限定する
- 相手が怒り出すきっかけになりやすい話題は、できるだけ避けるようにします。特に、相手のコンプレックスに触れそうな内容は徹底して避けることが重要です。
- 「聞き流し」のスキル
- 相手が感情的に話している間、すべてを真剣に聞くのではなく、必要な情報だけをピックアップし、不要な感情の波は聞き流す練習をしてみましょう。
- 頼れる人に相談する
- 友人、家族、上司、カウンセラーなど、信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、心の負担は軽くなります。一人で抱え込まないでください。
- 期待値を下げる

自分の心を守ることが最優先
怒りっぽい人との付き合いは、精神的に大きな負担を伴います。相手の感情の波に飲まれそうになったら、「これは私自身の問題ではない」と自分に言い聞かせ、冷静さを保つ努力をしましょう。
そして、何よりも優先すべきは、あなた自身の心の健康です。無理に相手を変えようとせず、まずは自分自身の心を守ることを第一に考えてください。時には、距離を取る勇気も必要です。
今回の内容が、あなたが怒りっぽい人との付き合い方で悩んだ時の、少しでもお役に立てば幸いです。
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